9月17日(月・祝)『権利擁護支援従事者研修・薩摩川内市』 【報告】

 

AS-J権利擁護支援従事者研修開催報告書

 

 

1.日  時   平成30年9月17日(月・祝) 10:00~16:00

2.会  場   薩摩川内市総合福祉会館 大ホール

3.参加者数   50人(市内34人、市外5人、県外11人)

4.プログラム

(1)講義「権利擁護支援の基本」

講師:佐藤 彰一さん

(全国権利擁護支援ネットワーク代表・國學院大學教授・弁護士)

 

(2)講義「意思決定支援とエンパワメント」

講師:佐藤 彰一さん

 

(3)グループワーク(権利擁護支援ケースの事例検討)

講師:今井 友乃さん

(NPO法人 知多地域成年後見センター事務局長・全国権利擁護支援ネットワーク事務局長)

上田 晴男さん

(NPO法人 PASネット理事長)

 

(4)各グループからの報告、事例解説とまとめ

上田 晴男さん

 

5.報  告

本センターのスタッフは勿論、市内外の関係団体に声かけを実施し、参加を募った。ただ開催日が前日までが精神保健福祉士の全国大会があり、敬老の日近辺であり、地域等での行事開催がありと泣く泣く参加出来ないとの声を頂く中での開催となった。講師の方々は国の会議等に参加される方々であるが、事例を通して分かりやすく権利擁護とは何かを講義いただき、全体的なスキルアップに繋がったと思う。実際に権利擁護に従事している、鹿児島県内・九州県内で活躍している同じ同士でのグループワークは事例を通して、日頃の支援や、悩み・課題等を共有する場面ともなり、各グループにおいて活気がありそれぞれが刺激を受けていたように見受けられた。

どうしても「権利擁護」の支援は抽象的なものであり、どのように支援するのが正解である。といった方法はなく、そのケース、その場面によって勿論支援の方法は違ってくる。その為、対応する支援者の力量が問われたり、課題抽出におけるプロセスが難しく、日々悩んで支援している中で、この研修により1つの方向性を見出すことが出来たのではないかと推測される。

また職員は勿論、全員には声をかけることができなかったが、市民後見人養成講座修了生も多数参加されていた。講座が終われば終了ではなく、それから何をするのか。何ができるのか。といった探究心が皆さんあることが伺えた。9月21日にもフォローアップ研修を実施するが、そういった市民の力を活用出来るように場を調整すること、一緒に取り組んでいけるような環境を整備することが、本会に求められているとニーズであると認識した。

日頃は県外でしか聞くことができない研修を、現地事務局として本センターが担うことにより、薩摩川内市のみならず、県内・近隣の県からの参加があり、権利擁護の裾野を広げることができて良かった。ただ今回の参加者を見ると、障害者関係の方が多く、高齢者分野の方が少なかったのが残念であった。

また今後、本センターも関係が出てくる成年後見制度の利用の促進に関する法律や、それに付随する成年後見制度利用促進基本計画の話しが出たが、中身は成年後見制度の促進ではなく、権利擁護の促進との説明があった。解説にあったが、通常、確かに国が示す計画にも数値目標が設置されているが、この件についてはなく、数を増やすことが目的ではなく、権利擁護支援体制を作ることが目的との言葉が印象的であった。その真意を元に、市と協働しながら権利擁護の促進を図ることができるようにしていきたい。

作成者 :瀬戸口