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令和3年度(第9回)全国権利擁護支援ネットワーク実践交流会実施報告

 

1.開催日時 令和3年9月19日(日)13:00~16:20

 

2.開催方法 zoomを活用してのオンライン形式

 

3.参加者  180 名 (後日配信視聴者含む)

 

4.テーマ  「虐待に対して今一度我が事として考えてみよう」

 

5.開催内容

 

(1)開会 【全体進行:協力委員澄田明子(出雲市社会福祉協議会)】 <13:00>

 

(2)開会の挨拶 全国権利擁護支援ネットワーク 副代表 山口正之(萩長門成年後見センター)

本会で毎年開催している実践交流会であるが新型コロナの影響で昨年に引き続き今回もオンライン開催とした。本会は、2009年に22団体で設立し昨年度には10周年記念として京都市においてフォーラムを開催することができた。2021年8月時点での会員数が163団体である。オンライン開催ということで、全国から参加していただき180名を越える盛大な交流会とすることができた。

 

(3)報告 【13:10~15:10】

 

  • 報告者:上東麻子(毎日新聞社記者) <13:10>

聞き手:協力委員 桐高とよみ(甲賀湖南成年後見センター ぱんじー)

「やまゆり園事件は終わったか?福祉を訪う、誰が相模原殺傷事件を生んだのか」と題し毎日新聞の記者として、2016年7月26日障害者支援施設未明津久井やまゆり園で発生した死傷事件について継続的な取材から見えてきた現状や課題を福祉の立場ではなく、記者の目線で報告をいただいた。その中で植松聖死刑囚がななぜ生まれたのか、またその背景にあった施設における環境(職員教育等)、そして、全国にある他の施設においても発生する可能性があることなどについてお話しいただいた。

 

<休憩> <14:07)

 

②報告者:山田優(株式会社しえんSAITO・K地域生活支援アドバイザー) <14:17>

聞き手:協力委員 瀬戸口高代(薩摩川内市社会福祉協議会)

「なぜ繰り返される虐待と権利侵害」と題し、愛知県愛光園や長野県、福島県等において障害者支援を行なってきた経験、特に、千葉県袖ヶ浦福祉センターや愛光園、津久井やまゆり園における虐待事件に関わった経験からお話をいただいた。印象的であったことは、障がい者の支援を行なう職員の質に関わる部分が重要で、そのことが不十分であれば偏見や虐待が発生してしまうことであった。虐待事件を防ぐには、施設という環境の中で職員が障がい者をしっかりと理解し、その状況に応じた支援を行ない、そのための信頼関係を構築することが重要であるとのこと。なによりも、障がい者自身が楽しいと思えることは重要であると共に、職員も楽しく仕事をすることができる教育が重要である。

 

(4)意見交換会 【15:10~16:15】
①4~6名程度のグループ(16G)に分かれて本会テーマ等をもとに交流を行う。

<15:10~15:40>

・本会運営委員及び協力委員がファシリテーターを務め進行する。また、発表者を1名選出した
上で意見交換を行なう。

②グループ発表 <15:40~16:15>

・16グループから意見交換内容について報告を行ない全体で共有する。
(意見交換内容)

本人の楽しみ、喜びを見いだせているか?チーム支援の必要性
地域移行における住民による障がい者への偏見
支援者が良いと思う支援ではなく、本人が良いと感じる支援を!(本人不在で無く)
職員教育の問題(本人の発信と支援者の受入れ)
障がい者理解と人が人を支えるという性質を踏まえた理念。風通しの良い施設
障がい者のより良い、その先の人生に向けたチーム支援
「伝える・伝わる・伝え合う」関係づくり
障がい者の特性として、長期間の関わりにより閉鎖的になる。
支援者の悩みを共有できるチーム連携と法人理念の浸透
若い職員が続けられるために(やりがい=楽しみ)
閉鎖的な施設へ後、後見人による代弁機能を生かして介入することのメリット

 

(5)閉会の挨拶 全国権利擁護支援ネットワーク 代表 佐藤彰一(PACガーディアンズ)<16:15>

講師お二人とも深い洞察からのお話であったと感じる。「どこでも虐待は起こる」という意識をもち、虐待が起こった背景をしっかりと受け止める必要がある。令和4年2月には本会主催の全国フォーラムを計画している、成年後見制度利用促進計画の5年を振り返るとともに、重層的支援体制整備と権利擁護支援について取り上げる予定である。本日、全国の皆様と同じ時間を共有できたことに感謝する。

 

(6)閉会 <16:20>

 

6.その他  実践交流会終了後、参加者アンケートを記入及び送信し全日程終了する。