『権利擁護支援従事者研修(魚沼)』【報告】

↓下記、魚沼市社会福祉協議会の方に作成して頂いた当日の報告です。↓

平成29年8月4日(金)、新潟県魚沼市において全国権利擁護支援ネットワーク主催「権利擁護支援従事者研修」を開催しました。

昨年11月、新潟県三条市で開催された同研修に参加し、権利擁護支援の学びを魚沼地域の支援者と共有したいと強く思いました。このたび魚沼地域で実施できたことに感謝申しあげます。

参加者は24人。市内の障害者相談支援事業所、地域包括支援センター、介護保険関係施設、近隣の社会福祉協議会など様々な事業所や、県内で活動されている成年後見人(社会福祉士)や弁護士からも参加していただきました。

午前の部は、上田晴男さんから「権利擁護支援の基本」、「意思決定支援とエンパワメント」について講義をしていただきました。

まず初めに、私たちが日常的に使用している「権利擁護」という言葉の意味と権利擁護支援の基本的な考え方や要素について学びました。「権利」とは何か?説明することは難しいですが、「ふつうの・自分らしい・みんなとの暮らし」と整理することで、誰にとっても当たり前のことだと理解することができました。

意思決定支援については、意思決定のプロセス(意思形成過程への支援)に手間ひまをかけて付き合っていくことの大切さを学びました。特に「保留も決定である」という言葉が印象に残りました。支援者は、何かしら答えや結果を求めてしまいがちです。今は決められないこと、迷うことも認めなければなりません。参加者にとっては、普段の実践を振り返る機会となったようです。また、意思決定支援を実践場面でどのように活かしていくか更に時間をかけて学びたいという感想もありました。

午後の部は、今井友乃さんの進行により、複合支援ニーズを抱える事例についてグループワークが行われました。事例を見た瞬間、多くの参加者が「これは大変・・・。どうしたらいいんだろう。でもこういうケースあるなぁ。」という印象を受けたと思います。

各グループから報告した後、まとめとして上田晴男さんから事例解説をしていただきました。複雑な事例であっても、全体像を探り、対象者ごとの支援ニーズを整理して具体的な「見立て」と「支援の組み立て」を行うことで糸口が見つかり、霧が晴れるようにすっきりとした気持ちになりました。グループワークをとおして、複雑な事例について、見立てを意識しながら話合いを持てたこと、意見交換によりいろいろな視点でみることができたことも効果的でした。

今後も、権利擁護支援について相互に学び合い、支援者が顔の見える関係を築くことで地域の権利擁護支援の仕組みづくりにつなげていきたいと考えております。

社会福祉法人 魚沼市社会福祉協議会

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