キーパーソンってなにする人?
市町村申し立てをするときに、個別の候補者を指定しないで申立てを運用を行っている自治体は多いかと思います。ある自治体の中核機関の受任調整の会議で、専門職団体を指定するさいに、次のような申立て準備が報告されました。ご本人は認知症の高齢者。妻とは離婚。親族の一人が身元引受人になって高齢者施設に入っているが、施設の利用料が本人の年金より高い。他に収入はない。施設利用料の滞納がある。生活保護の利用ができるかどうかは目途がたっていない。新しい施設を探したいが身元引受人になっている親族とは連絡とれなくなっている。他の親族はみなかかわりを拒否している。
「キーパーソン不在」なので、後見人を付けたいということで市町村申し立てをするという説明でした。みなさんはこの話を聞いてどう思いますか。後見人にキーパーソンになってほしいようですが、いったい何をするのでしょうか?。その質問に医療同意。施設との契約。なんて回答が帰ってきました。
私の回答は、次の通りです。医療契約はできるけど医療同意はできませんよ。施設との契約っていうけど新しい施設は誰が探すのですか。だいたい生活保護の利用のめどが立っていないという状態で負債が増えれば誰が負担するのですか。後見人にそれを期待するのですか。そんな後見人、誰も受任しませんよ。
担当者は黙ってしまいました。後見人さえつければなんとかなる、そう思っている包括の担当者がいまだに多いという一例ですね。市役所が選任のあと離れていき後見人だけがひとりぼっちになるような市町村申し立てはやめてほしいですね。