後見人解任について
さて法定後見の改正について何回かコメントを書いていますが、今回は、後見人(保護者?)の選任・解任・交代について考えたいと思います。
現在の制度では、法定後見人の選任は裁判所の裁量とういう形をとっています。申立人が「この人でお願いします」と言っても、裁判所がそれを承認するとは限りません。また選任についての判断に不服申し立ても認めないという形がとられています。いったん裁判所が決めたらそれで終わりです。
こういう手続きについて、利用者側からの不満は根強いものがあるのですが、裁判所側も裁判所なりの理由があるように思います。
さて、今回の法制度改正について、解任や交代については、複雑怪奇な提案が法制審のたたき台にでています。両論併記どころか多論併記てな感じですね。
ちなみに法定後見人ではなくて、名前が保護者になっていますね。
たたき台は、複雑なので、私の方で思い切り要約しました。
1)選任や解任・交代が裁判所の裁量ベースであることには、変わりがない。
ここは裁判所としては譲れないでしょうね。私もそれはそれで良いのだろうと思っています。どうしても「この人は困る」という人がいないわけではないのです。
2)解任手続き自体は、裁判所の職権の他、請求権者(これがどんな人なのかはまだ議論しているようです)の請求により始める。
まあ手続きは広がる可能性が出てきていますね。
3) 欠格事由
現在の制度では、保護者(成年後見人)が受任事件で1件でも解任された場合、全件で法定後見人の資格を失うわけですが、解任事件以外の事件については、資格を失わない仕組みが議論されているようです。
これは、おそらく解任をしやすくするということでしょうね。法人後見の実務からいえばこれは歓迎すべき方向です。ただまともな法人や専門職なら、解任なんていう話の前に辞任しますけどね。後見人なんて仕事、誰もやりたくないですよ。
また、欠格事由の規定を削除することも検討されているようです。これはちょっと極端かなあ。
さてこんなものをパブリックコメントでだされても誰も応えられない可能性がありますね。
解任や辞任や交代の話は中核機関その他自治体の地域福祉の運営の中でしか考えられないと思います。そういった話は法制審では無理なのでしょうね。
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