法定後見の終了
さて成年後見の法改正ですが、今回は「終了」についてお話します。一般に法定後見は一度使い始めるとご本人が死亡するまでずっと使い続けことになると言われていますが、事実上はそうだとしても現行法上はそうではありません。後見開始の事由が終了すれば後見開始の審判を取り消すことはいまでも可能です。(民法18条)
ただあまり例がないのが実情で(ときどきあります)、認知症が治るとか、知的障害が治るという話を(すくなくとも)医学モデルで言う限りは、終了にネガティブな判断になります。また終了を最初から予定していないので、法定後見の開始の審判のときに3年であれ5年であれ、期間を定めて法定後見の審判を出すということもできません。これを変えようというのが今回の法改正で、ひとつの目玉商品になっています。期間を定めた法定後見は、確実に入る見通しです。だた3年なのか5年なのかはたまた7年なのか、期間についてはまだまだ良く分かりません。諸外国の例も期間はいろいろです。
また終わり方も期間がきたら延長の申し入れ
がご本人ほかからない限りは「当然に」終了する、というタイプと、ご本人ほかの申し入れがなくとも「当然に」再審査するというタイプが議論されているようですが、なんだか難しい選択ですね。後者だといまとあまり変わりがないのかなあという印象も受けます。
ほかにスポット型の利用というものが議論されています。中身がよく分からないのですが、第10回の法制審で何人かの委員がこれに言及されています。どんな姿になるのか、有期限とどう違うのか、まだ明確ではないように思います。定めた期間の前であっても申し出に基づいて必要性がなくなったら利用をやめるというのが分かりやすいのですが、議事録を読んでもよくわかりません。おそらくパブリックコメントがでたときに言及されていくでしょう。