『権利擁護支援従事者研修』(12/16、那智勝浦)【報告】
和歌山県にある那智勝浦町にて行われました。「権利擁護支援従事者研修」が終了しました。当ネットワーク会員の合同会社ソルジスの水口真一さんが作成した報告を掲載させていただきます。
平成28年12月16日(金)に和歌山県 那智勝浦町において、同県で初となる全国権利擁護支援ネットワークの研修会を開催し、無事に終了することができました。
研修参加者は30名で、参加者は、町内外から地域包括支援センター、居宅介護支援事業所、介護保険関係施設、障害者相談支援事業所、障害者支援施設、社会福祉協議会など様々な事業所から参加していただきました。
午前の部は講義形式で國學院大學法科大学院教授で弁護士の佐藤彰一さん(全国権利擁護支援ネットワーク代表)が「権利擁護支援の基本意思決定支援・エンパワーメント・最近の話題」について講義していただきました。
権利擁護という言葉の整理から始まり、権利擁護支援の実践、意思決定支援のあり方、最近の権利擁護支援の話題まで権利擁護支援を行うにあたって重要な内容をお話してくださり、参加されている方は熱心に講義を聴かれていました。
午後の部は、グループワーク形式でNPO法人PASネット理事長で全国権利擁護支援ネットワーク事務局長の上田晴男さんと知多地域成年後見センター事務局長の今井友乃さんがグループワーク(権利擁護支援ニーズの事例検討)を進行していただき、まとめとして、上田晴男さんが「支援の展開と関係性の構築」について講義していただきました。
高齢者や障害がある方など複合的なニーズがある世帯に対する支援について、5名、6グループに分かれワークを行いました。参加されている方々は、事例に対して、同じ権利擁護支援でも、事業種や職種によってそれぞれ違った支援のアプローチがあり、事例を様々な角度から検討していく流れはとても興味深かったです。
上田さんが講義の中でおっしゃっていた、事案の見立てについて、対象者の事実に基づいて支援方針を確立し、支援を行って、評価していくというプロセスがとても大事だと感じました。経験則や支援者の思い込みから支援を組み立てていくと利用者の本当のニーズを見失ってしまったり、利用者に支援を押しつけてしまうという可能性があり、権利を擁護するということがおざなりになってしまいます。
普段から支援の基本をしっかりと押さえることで効果的な支援につながると思いました。
私たちの地域は少子高齢化が進んでおり、社会資源も乏しいです。ですが、支援ネットワークの構築は進んでいて、普段から支援者が顔の見える関係になっています。今回の研修で得たものをネットワークを通じて拡散し、より良い権利擁護支援を行えるよう皆さんと一緒に創り上げていきたいと思います。
お忙しいところ本研修に参加していただき、誠にありがとうございました。また研修の準備等お手伝いいただき、併せて御礼申し挙げます。