10月3日(土)『権利擁護支援従事者研修(青森市)』 【報告】
作成者 : 三上絵理
2020年10月3日(土)午後1時より、青森県観光物産館アスパム5階「あすなろ」にて、権利擁護支援従事者研修を開催しました。
青森市内・外の福祉関係者や、青森市市民後見人養成研修の修了生等、あわせて42名が参加しました。
まず、開催に先立ち、現地事務局である一般社団法人権利擁護あおい森ねっと代表理事・三上富士子より、開催のあいさつがありました。
次に、全国ネット事務局長今井友乃さんから、全国権利擁護支援ネットワークの紹介や「権利擁護支援従事者研修」の開催趣旨等について説明がありました。
上山泰先生(新潟大学法学部教授)より、「成年後見制度における身上保護の内容と考え方」についてご講演いただきました。上山先生からは、禁治産制度から成年後見制度への成り立ち、障害者権利条約の批准や、成年後見制度利用促進法等、成年後見制度の変遷について解説いただきました。その上で、成年後見制度における「身上保護」について、医療同意や身元保証に関する課題や意思決定支援のあり方等の課題について、「被後見人自身がメリットを実感できる制度運用が求められる」と講演いただきました。
基調講演の後は、パネルディスカッションに移りました。全国ネット事務局今井さんが司会を務め、小野寺幸司さん(特定非営利活動法人カシオペア権利擁護支援センター:岩手県二戸市)、吉田司代子さん(特定非営利活動法人青森市手をつなぐ育成会:青森県青森市)、藤田博美さん(弘前圏域権利擁護支援センター:青森県弘前市)の3名にパネリストとして登壇いただき、それぞれの実践を発表していただきました。
それぞれの団体からは、成年後見人等の担い手の不足の問題として、市民後見人や社会福祉法人等の受任体制づくりや、後見人自身の高齢化、本人不在の制度利用になっていること、相談窓口の拡充等の課題があげられました。また、医療同意権について会場から質問が上がり、上山先生から改めて解説がありました。それを受けて、それぞれのパネリストから、後見人としての実践の中で、治療に同意を求められがちであること、後見人の権限を理解する医師も現れてきたこと、治療について関係者で協議する等の意見がありました。