第10回実践交流会〈報告〉(録画配信受付中)
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参加費:会員の方2,000円
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第10回実践交流会 感想
2022年9月10日(土)13:00~17:30
於:日本福祉大学 東海キャンパス
現地参加 :97名
第1部 基調講演「地域福祉と権利擁護支援」
講師:平野 隆之さん
(日本福祉大学大学院教授・日本福祉大学権利擁護研究センターセンター長)
平野先生の全国ネットとの出会いからユーモアを交えたお話が始まり、社会福祉と地域福祉を区別して考え、「地域福祉は地域にとっての最善の仕組みを目指すこと」、言葉の整理を行い区別して考えることで本質を学ぶ機会を得たと思います。
「地域福祉は単体だと曖昧で何かをヨコに置くことでとうまく機能する。権利擁護支援も何かをヨコに何かを並べることで特徴がはっきりとし、協働関係・相互作用が生まれ、高い機能を発揮する」というお話に得心しました。
尾張東部権利擁護支援センターとの共同研究のお話では、(権利擁護支援の)実践者一人一人の蓄積がそのセンターの蓄積度となり、センターが仕組み・装置となり、独自機能を持つことで地域が豊かになっていくという過程はどの地域でもまた様々な分野においても必要なことではないかと思いました。
そのため今後、「どれだけやったか」の評価を「どのように変わったのか」という評価方法に見直していきたいと思いました。
言葉の整理からセンターの機能に至るまで日常的なことへの新しい視点を持つことができたお話でした。
第2部 分科会
第1分科会「適切な法人後見の在り方とは?」
報告者:水口 真一さん(ソルジス)
當目 真緒さん(尾張東部権利擁護支援センターあすライツ)
岩瀬 貴仁さん(田原市社会福祉協議会)
コーディネーター:田邊 寿さん(伊賀市社会福祉協議会)
3種の法人形態のお話を同時に聞くことができ、非常に参考になりました。組織として取り組む方法等は違っていても根本的な理念、思いなど共通するものが多いと思いました。
一度始めると途中で辞めることができない支援であるため、持続可能な仕組みと役割分担、ネットワークを構築していくことが必要であると改めて感じました。
第2分科会「いまだに無くならない虐待について」
報告者:中原 一隆さん(あさがお)
米田 修さん(同愛会)
東 千恵子さん(愛光園)
コーディネーター:福島 健太さん(PASネット)
お三方の発表で共通して感じたことは、支援者もご本人も孤独にさせないことが大事、ということです。ご本人同様、職員も大切であるということを職員各人が認識できる環境を作ることが虐待の芽を摘むことにつながると感じました。
また、何をするのにもアセスメントが大切で、複数でそれをすることそのものがコミュニケーションであり、共通する支援と虐待要因の解消につながるのだと改めて再認識しました。
愛光園の方には登壇して頂けて良かったと思います。理念の共有などまだ難しい問題も多いと思いますが、自分の活動を見直す機会ともなりました。
第3分科会「いよいよ問題になってきたおひとり様に関して」
報告者:鹿児島ゆくさの会 芝田 淳さん(つながる鹿児島)
金森 大席さん(知多地域権利擁護支援センター)
コーディネーター:佐藤 直樹さん(魚沼市社会福祉協議会)
「互助」の在り方についてとても分かりやすくご説明いただき、また当事者の方々のリアルなお話が新鮮で、つながることの大切さとつながり続けることの難しさを考えさせられました。
互助というシステムが支える(支援者)-支えられる(当事者)二者のではなく、お互いに「支えあう」ことで「役割」(社会参加)が生まれ、自尊感情の高まりにつながることを支援者側も意識転換していくことが必要だと感じました。
互助のシステムを作るにあたって「人の心を埋めるのは人でしかない」(金森さん)、「身元保証は人の問題なのに制度で解決しようとする」(芝田さん)という言葉が印象に残り、当事者のうねりを作ることが大事なのだと思いました。
ご不明点等は全国権利擁護支援ネットワーク事務局までお問い合わせください。
どうぞよろしくお願いいたします。